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【クズが総出演の映画】神は見返りを求める、感想。【ムロツヨシ・岸井ゆきの】
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恩を仇で返すな or 見返りを求めてる

 

 

自分の過去の経験から、見事に心にぶっ差さる映画だった。

手を差し伸べているその時は、見返りなんて求めていない。ただただ、「人の為になれるなら」という、善意なのか親切なのか偽善なのかはわからないが、とにかく、なにかしらのリターンがあるかも?なんていう気持ちはかけらもなく手伝う。

しかしその後、不仲になったり、裏切られたり、自分がピンチになっても助けてもらえない時にどういう思考に陥るかというと、

 

あんなに助けてやったのに

無駄な時間を使った。もったいない。返して欲しい。

無駄金を使った。もったいない。返して欲しい。

 

……という、後悔の思考パターンになる。

こうやって思ってしまってる時点で「あぁ、自分、見返りを求めてんじゃん。」と気づき、自己嫌悪に苛まれたりするの

であります。

 

作中で、主役の二人が言い争う。

「恩を仇で返すなって事だよ!!」

「それって見返りを求めてるってことでしょ!?」

やー、そうなんだよなぁ……と。

 

恩を仇で返すなと、見返りを求めてるの境界線。

人間の精神的なムラって、なかなかコントロールが難しい。

 

無償の愛なんて言葉があるけど、こんなの余程の精神君主でなければ成立しないと、今の自分は思うわけであります。

ぶっちゃけ、自分の子供にでさえ難しい気がする。

元気に育ってくれたらそれでいい。……なーんて今は思っていてる。

しかし、例えば30年後。ギャンブル依存の子供の借金の肩代わりするハメになったとかになったら、(しょうがない。無償の愛だ。僕が頑張ればいいんだ。)なんて精神状態には間違いなくなるわけもない。

あんなに愛して育てたのに、どうしてこうなった!??ふざけんな!!……って気持ちには、少なからずなるであろう。

 

 

誰かに何かしてあげたい。目の前に困ってる人を助けたい。力になれるだけで嬉しい。

 

この気持ちを、いかに持続するか。善意の行動を、いかに忘れるか。

覚えている限り、"してやった感"はなかなか無くならないと思うんだよな。

     

     

    クズしか出ないから面白かった映画でした

     

    主人公・イベント会社に勤める田母神(ムロツヨシ)は、合コンでYouTuber・ゆりちゃ ん(岸井ゆきの)に出会う。
    田母神は、再生回数に悩む彼女を不憫に思い、まるで「神」の 様に見返りを求めず、ゆりちゃんのYouTubeチャンネルを手伝うようになる。
    アクセス数 がなかなか上がらないながらも、前向きに頑張り、お互い良きパートナーになっていく。
    そんなある日、ゆりちゃんは、田母神の同僚・梅川(若葉⻯也)の紹介で、人気YouTuber(吉村界人・淡梨)と知り合い、彼らとの“体当たり系”コラボ動画により、突然バズって しまう。
    イケメンデザイナ一・村上アレン(栁俊太郎)とも知り合い、瞬く間に人気YouTuberの仲間入りをしたゆりちゃん。
    一方、田母神は一生懸命手伝ってくれるが、動画の作りがダサい。良い人だけど、センスがない...。恋が始まる予感が一転、物語は“豹変”するーー!

     

    映画の展開としては、最初は手と手を取り合っていく、YouTuberのサクセスストーリー風に始まる。

    中年男性と若い女性の、甘酸っぱくも塩辛い感じ、楽しそうだけど痛々しい、恋になるのかどうなのか。

    気になるーーーー!!!……という感じで進行する。

    前半と後半で、ガラリとテンションが変わるので、これ、予告編観ない方が楽しめ作品だと思うな。

     

    観終わった率直な感想は、

     

    「登場人物クズしかいねえな。」

     

    でした。

     

    • 見返りがないからと、嫉妬や恨みの感情を爆発させる田母神。借金踏み倒されたり、保証人になってたり、裏切られたりと、気持ちはわかる。気持ちはわかるが、結局、自分で蒔いた種なのは事実。ストーカーしていいとか、誹謗中傷していいとか、それは別の話である。
      ゆりちゃんに対して、遠征費全部払う。示談金を代わりに内緒で払って治める。実働時間を全て無償。このあたりは完全に行き過ぎ、やりすぎで、"タダより高いものはない"の、完全逆バージョンの事例となっている。
    • 利用するところは利用して、要らなくなるとあっさり捨ててしまう、ゆりちゃん。動画の利益の配分の話などする時、田母神が「いいよ、いらないよ。」と、断ってくるのを見越して話を進めているあたりが性根が腐ってる。動画が流行る前から、クズ臭はガンガンしていた。きぐるみのジェイコブを燃やした時に途中で止めに入った時は、ちょっと感動した。良心あったんだな、と。
    • 悪口を陰で伝達、さらに無い事まで大げさにして捏造する梅川。田母神の同僚というポジションで、本当に見事な性格の悪さで場をかき乱した。終盤、田母神にそのへん突っ込まれていたけど、本人に自覚はないようだった。マジでこういう人、いるよね。やっかい。早いとこ見極めて、距離置いておかないと後々面倒になるキャラ。
    • 人気YouTuberのチョレイ・カビゴンは、ゆりちゃんに大やけどを負わせたけど、全く反省の色がなく、それをネタにYouTube動画を作成してた。チャラい感じしか出て来ない2人だたけど、実はなにか深いなにかを持ったキャラなのかと少し期待していたが、ただただ胸くそが悪くなるだけの二人だった。炎上してアカBANされればいいのにとしか思えなかった。

     

    ほら、クズばっかり。笑

     

    あ、田母神を傘でぶっ差してた仮面Youtuberも、かなりキテる。

    最初と最後、彼で始まり彼で終わった

    あの中学生とおぼしき彼、なにか関連あるのかなーと思ったけど、なにもないのかな。

     

    クズの総出演で、最後も悲惨な感じで幕を引いた、神は見返りを求める。

    バッドエンドなのに、満足気味に見終わったの久しぶりだった気がする。

    楽しめました。

     

     


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