天化という化粧の秘術 × ミステリー
ミステリー小説の、"リアル版界王拳"の物語。金色天化。
化粧の力で人の心を操る秘術「天化(てんげ)」。
室町時代から今日まで、その秘伝を受け継ぐ天化天朝流一家の跡継ぎさんのお話し。
天化とは?
室町時代から代々続く化粧の秘術、天化。
化粧を施して自分の顔を鏡で見ると気分が高揚したりする現象の拡大版かと。自分は化粧したことないから、新しい服を買ったり、髪型変えたり、アクセサリーつけたりするとテンションが上がるのと似てるイメージで読み進めた。
主人公たちは、天化の収入だけでは食っていけないので、化粧屋さんとの兼業だ。存在は世間には知られていないが、絶大過ぎる効果を持つ天化。やりようによってはめちゃくちゃ稼げる秘術なのに、もったいないなぁと思ってしまった。だけど、世に出過ぎると悪用されたりとか、いろいろ不都合があるものま。世に広めれないんだろうなぁ……。うーん。
選挙のポスターの作成の為に政治家にメイクを施した際、天化の技術を少しだけ使ったりしてたけど、本気出せばポスターだけで当選させる事とかできそうだもんな。
儲けに走ると、悪用されて広まってしまいそうだし、その辺の設定が、お上手。
顔の形したシールで人を自殺に追い込んだり、自分の顔に天化を施して戦闘技術や筋力やスピードといった物理強化までできるのだから、利便性というか、能力の拡張性も秀逸の技術。本気を出したらどのくらいまで無茶な事できるんだろなーと、興味。
これはきっと続編が出てるので、そっちを読めばもっと知れるのであろう。ワクワク。
ちなみに、天化師って実在する職業なのかと思って読んでいたのだが、作品のオリジナル設定だった。ググっても全然出て来なかった、天化師。よくこんなの思いつくなぁ……。
ちなみに、「天化」でググると、封神演義の黄天化が出て来た。そっちはそっちで名作だけど。
ストーリー
新潟市で急増する自殺。
その背後に見え隠れする謎の自己啓発セミナー、そして街に現れた奇妙なシール群。
人の心を操る中世よりの秘術「天化」の継承者、卜部航と、その姉・コガネが怪事件に挑む!
姉に隠された衝撃の秘密とは?
犯人たちの真の狙いとは?
ニートな弟とクールの姉が、阿賀野市と新潟市を舞台に繰り広げるアクション&ミステリー長編。
未読だったら、是非読んでみて下され。
おもしろいですよ。