会話の主導権を強引に握りたければ……
「このデータのエビデンスはなに? 」
とか、
「これ、コンプラ違反ですよ」
日本語で言えや。
と、思わずツッコみたくなるビジネス用語。
ビジネス用語って、気づけば知らないのがたくさん増える。どんどん増える。
自分の働く職場は、そういった言葉とはわりと無縁に近い業界ではあるんだけど、使いたがる人はいる。
そんな風景を遠巻きに眺めていたら、あることに気付いた。
ビジネス用語バンバン使ってる人の方が、会話の主導権を握りがちで、勝った感じに終わる事が多いのだ。
そうか。ビジネス用語って、会話の主導権握るのに使えるのか、と。
もっと言ったら、口げんかに勝つ手段として使える。
……もちろん、用語に弱い相手のみにしか使えないけど。
振り返ると、自分にも経験があった。
コンプライアンスという言葉を知る前の自分が他部署の先輩に、
「この件は、コンプライアンス的にダメだから~なんちゃらこんちゃらでー」
と話された時、最初にスルーしたのでわかってる前提で話が進んでしまった。完全に聞き手になって、うんうんと聞いて頷くしかできなかった。
そう、あれです。知ったかぶり状態。
この状態異常にさせられると、脳みその中は、
- コンプライアンスって、なんだ?
- 文脈的には法律的な感じかな
- 知ったかぶりしてるのバレてないかな
- 知ったかぶりバレないように取り繕わなければ
- キョドるなオレ、キョドるなオレ、キョドるなオレ
と、推理やら平静を装うやら、会話と違う方向に考えるエネルギーをがっつり持って行かれる。
聞きなれない言葉を一回目スルーしちゃうと、しってる前提で会話が続いて言っちゃうから、なんにも話せなくなってしまう。
すると、会話の主導権は完全に奪われる。
勝手な偏見ですが、最新のビジネス用語をバンバン使いたがる人は基本的に会話なり対話なり会議なりで、マウント取りたい人が多め。……という結論に行きつきました。
で、つまり、逆に言うと、最新のビジネス用語チェックしまくって使いまくれば、会話の主導権は常にコチラのもの!……という。
あんまりやり過ぎると確実に嫌われるんで、オススメはしないけども。
……ちなみに、新しい言葉ガンガン使って来てマウント取ってくる人に
「コンプライアンスってどういう意味ですか?」
みたいな感じに直球で質問すると、ちゃんと答えられなくて、しどろもどろにすることができる事がある。
きまずくなる可能性はあるので、注意が必要だけども。笑
ちょっと面白かった、実際に体験した知ったかぶりの連鎖
合弁会社が設立されるってんで、聞きなれない「合弁会社」という言葉がやっと聞きなれて来たくらいのタイミング。
『JVの件だけどさ~』と、突然横文字を使いだした部長。
(じ、じぇいぶい……とは?)
ググったら出て来た。
ジョイント・ベンチャーの略で、JVだそうな。
その翌日、
『JVの進捗、聞いた?』
と、JVという言葉を当たり前のように使いだす人が急増した。
お前ら、前から知った風で話してるけど、絶対ググったばかりの知識だろ!!!
と、心の中でツッコミ入れてたの。ちょっと面白かった。