ネタバレあり。インタステラー感想。高次元の彼らは、あいつらだった。
インターステラーという、宇宙と未来と食料問題と惑星移住の映画を観ましたー。
うーん、大好き。
最高に面白かった。オススメ度、90点。
張られた伏線の回収が素晴らしくて、ちょっと尺長めの映画なのに、一切飽きることなく最後まで楽しめたなー。
愛と重力は時間を超えるおはなしです。
ざっくりこんな話
食料危機が止まらない世界。このままでは人類は滅ぶ。
45年前、土星近くになぜかワームホールができたのを確認。解体されたNASAが秘密裏に復活。
ワームホールから別銀河へ行き、人が住める新たな星への脱出計画を立てる。
・プランA→人類が新たな星へ移住(地球で作ったコロニーを宇宙にあげる。ブランド教授が重力の方程式解けると実現可能)
・プランB→人類移住は諦め、遺伝情報などを送り、"人類という種"だけでもを存続させる
主人公クーパーらが新たな星候補が3つあるので確認する旅に出るも、映画の終盤にプランA失敗確定→アメリアに全てを託しプランBに切り替える流れになる
クーパーがブラックホールに吸い込まれ死に際かと思われたその時、四次元空間を三次元に表現した不思議な空間に辿り着く。(ワームホールを作ったと思われる高次元の存在の仕業)
そこは、いろんな時代のマーフの部屋に繋がっており、過去に干渉する事ができた。マーフの部屋のポルターガイストはクーパーが起こしてるものと判明。(重力は時間を含む次元を越えられる)
クーパーは娘のマーフにブラックホールの特異点情報を腕時計にモールス信号として送る。
マーフが重力の方程式を解き、プランA発動。
最終的に、めでたしめでたし。
高次元の存在の正体って、なに?
ブラックホール内で、腕時計に情報を送る作業をしながら。
ターズが高次元の存在のことを「彼ら」と呼称すると、クーパーは「”彼ら”ではない。我々だ。」という。
「彼らは過去を変えるために俺たちを呼んだんじゃない」
「彼らが呼んだんじゃない。呼んだのは俺たちだ」
………
「成功したか?」
「ああ、うまくいったさ」
「どうしてわかる?」
「高次元の彼らが4次元立方体を閉じ始めた」
「まだわからないのか。彼らじゃない。"俺たち"だ。」
"俺たち"……とな。
2つの意味が想像を想像した。
俺たち→人類
俺たち→文字通りの俺たち(クーパーやマーフ、ターズやアメリアなど身近な存在)
俺たちと同じ人類
初見時は、未来の地球人という匂わせと思ってたんだけど、見返してみたらガッツリとクーパーから明言されてた。
「俺がマーフにしたことと、これは同じだ」
「人類にこれは作れない」
「ああ、今はまだ無理だ。だが将来、俺たちじゃなく未来の、四次元を超え進化した人類がきっと作るに違いない」
よくよく考えてみたら、「見ず知らずの地球人類を守ろう!」なんて異種族は考えにくいもんな。少なくとも45年前からワームホールを作って地球人類の脱出計画に協力しているように見えるし、人類の身内であると考えるのが自然だ。
このクーパーとターズのやり取りをから、【高次元の彼ら=地球人類】で間違いないだろう。
遥か未来の、五次元を操ることができるようになった、地球から脱出した人類の末裔が、祖先が地球を脱出した時のつじつま合わせをするべく、ワームホールやブラックホールでクーパーらの手助けをした……的な。
すでに確定した未来を確定させるために過去改変みたいな事をするのは矛盾してて変だとも思うが、それを言い出したら、マーフにNASAの座標を教えたクーパーがすでに矛盾しているものなぁ。うーん、時間が題材の世界設定は難しい。
とどのつまり、
「俺(高次元の彼ら)がマーフ(クーパー)にしたことと、これは同じだ」
これに尽きる。
"高次元の彼ら"次元を操るくらい発達してるの存在なのだから、いろんな事ちょちょいとできるんだろうと最初は想像してしまったけどきっと、そっちはそっちでギリギリのミッションだったんじゃないかな。クーパーがマーフにした事みたいにギリギリの綱渡り的な感じ。(声は伝わらず、やむなく腕時計にモールス信号みたいな)そして、描写されてない部分でもそうなるように仕向けた部分は実はたくさんあると踏んでいる。そうでもしないと、展開的に都合の良い偶然が重なり過ぎてる。
高次元の彼らは、重力を介して時間を操り、苦心に苦心を重ねてワームホールを出現させ、別銀河への移住の可能性を人類に気付かさせる。1時間に7年も経過する星でマーフが成長して科学者として才能を発揮するための時間稼ぎを一気に済ませ、偶然クーパーとターズの二人(あ、1人と1機かw)をブラックホールに落ちる展開を作る。
そうして、ようやく未来につながる展開を作ることに成功した……のではなかろうか。
あと、ひとつ自分なりに考察した説もあるので書いてみる。
文字通りの"俺たち"説
「まだわからないのか。彼らじゃない。"俺たち"だ。」
この俺たちは、ほんとうにクーパーとターズの二人だったのではなかろうか。
クーパーの年齢は映画冒頭と大して変わらないが、ブラックホールとの時差で世界は100年以上経過していた。
マーフは天寿を全うし、ラザロ計画も少しずつ何年もかけて進んでいるのだろう。
コールドスリープ装置があったり、1時間で何年も進む惑星や、ブラックホールと、未来への進行方向ならば簡単に進み飛ばせる世界。
そして、クーパーが同じ時間軸での知り合いは、アメリアとターズくらいなもの。もはや、この時間軸で余生を過ごすこだわりは、クーパーには無い気がする。
もし、クーパーが、
「"今"に辿り着くには、ワームホールを自前で土星近くに作らねばならぬ」
というのに気づいたとしよう。
この場合、科学の進歩的に、何十年、何百年かかるかわからない。
ワームホール作って設置するのを後世に伝えなければならないという超重大なミッションが発生するんだけど、これをより確実にクリアするにはどうしたらいいか。これを考えた時、
自分でやるのが一番確実だ。
となるはず。
なので、僕が考える、この映画のエンディング後はこう続く。
ラストでクーパーは、アメリアを救うべく宇宙船で出発した。
アメリアと合流したクーパーは、「ここまでやって来れた裏方は未来の自分たちだった」ということをターズ、アメリアに伝え、3人でそれを担うという約束をする。
文明が追い付くまでの時間稼ぎは、水の星で行った。水の星では1時間いるだけで7年が経過するからだ。そして、津波は宇宙船で浮いてれば実害はない。
月イチで水の星に1時間ずつ過ごせば、たったの1ヵ月で7年経過できる。ものすごく効率のイイ早送り。
このサイクル繰り返していけば、知り合いを絶やさずに時間をすっ飛ばして超文明までひとっとびできる。
高次元を操る文明レベルへ達した時、クーパーはラザロ計画を発動し、ワームホールを過去の土星付近に設置する事に成功した。
……みたいな。こういう展開、いかがでしょう。
なので、
「高次元の彼らが4次元立方体を閉じ始めた」
「まだわからないのか。彼らじゃない。"俺たち"だ。」
この"俺たち"は本当に"俺たち"の事。
腕時計に情報を送り終えたのを確認して4次元立方体を閉じ始めたのは、本当にクーパーとターズだったわけです。
なんと!!!びっくり!!!