目の前がどん底の営業マンが、不思議なタクシーに出会う。
2021年の一冊目、読み終わりました。
喜多川 泰 著 『運転者 未来を変える過去からの使者』
生命保険の営業マン、修一はピンチだった。
彼が契約を取り付けた、団体のお客全員が解約したからだ。
そのせいで収入は激減、家族との海外旅行の計画、中学生の娘の不登校問題、実家の母親……と、一気に彼の身の回りにいくつもの問題が山積する。
そんなときたまたま(?)乗った一台のタクシーの運転手が、怪しかった。他人が知る由もない修一の身の回りの出来事を完全に把握していたからだ。
『運を転がす運転手』
”不思議な運転手”との出会いが、修一の価値観、生い立ちなどを丸裸にして、運命を好転させていく……というお話し。
朝ご飯は、宇宙の全て。
『自分の人生はついてない』
このマインドで生きていること。これ自体が運から遠ざかっていく原因というのが主軸。
イイ事すると、巡り巡ってイイ事が返ってくるんだよ。……を、もう少し詳しく掘り下げて、『人の生き方』みたいなのを説いたような内容。
物語読んでるハズなのに、中盤くらいから自己啓発本を読んでいるような感覚になりました。
僕、『真理を突いてるような屁理屈』が好きなんですよ。
映画なんかで、スピード違反の取り締まりを受けた登場人物が、あれやこれやと警察官にしている言い訳。
でも、聞いてるうちに、『あれ、一理あるな、これ。』みたいなやつ。
本作でも、『朝ご飯には宇宙の全てが必要』…という、この文字だけ見たら『?(キョトン)』という場面があって。
例えば僕が口頭で誰かにこの内容を伝えたら、『あー、はいはい、わかったわかった』と、軽くあしらわれちゃうような理屈だと思うんです。でも、一冊かけて前フリしてるんで、この説明を読んだら、
うおおおお!!!
た、確かにっ!!!!
……ってなる。感動した。すごい。
謎は、けっこう謎のままだった。
- 運転者だれなのよ問題
- タクシーのシステム
ここは、完全に謎のままだった。
祖父の貯めた運で子孫が助かってる例が2つ。修一と、上司の脇屋。
両名の祖父が同じ地で戦死して、修一と脇屋はタクシーに乗って転機を迎えることができた。
ここに共通点があるのも、何故なのか。
修一の一家は結局、運転者におんぶに抱っこ過ぎ問題とか。笑
奥さんも運転者に身の振り方転がされてたしね。
あと、プロローグで、
修一は聞いたことがまい曲だったが、耳障りな感じではなかった。
『ちょっと変わったタクシーで人生が変わった……か』
って描写があるのだけど、全編読んでから読み返すと、
『お前の娘やんけ!!!』
……と、ツッコミ入れたくなった。
知らない曲と知らない歌手感出し過ぎて、つじつま合わなく感じてしまった。
そういう演出なんでしょうけど。笑
そして、僕が思う最大の疑問。
運を使えず死んだ人は戦時中、たくさんいたはずなので、この理論で行くと、
この世界は運転者、何人いるんだろか。
という。
いやぁ、無粋ですね。すみません。笑